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2018年2月15日更新

[彩職賢美](株)紀建設 設計室取締役室長 一級建築士の伊波亜砂子さん|建築は人

18年で約60軒の住宅の設計・施工を手掛けてきた伊波亜砂子さん(44)は、「建築は人」と言い切る。設計する住宅のスタイリッシュなイメージとは裏腹に、「とことん対話をして、共有する。ワーバグトゥ(余計なこと)をするくらいじゃないと、ものづくりはできない」と気さくに話す。

(株)紀建設 設計室取締役室長 一級建築士の伊波亜砂子 さん
 

とことん対話し思いを形に

(株)紀建設 設計室取締役室長
一級建築士
伊波亜砂子 
さん

「師匠は、お客さまです」と伊波さん。
 
15年前、「何コレ、どうなっているの」。完成した住宅を見た依頼主の一言で、水回りの備品を全て取り替えた。費用は会社の負担だ。「きちんと確認をしなかった私のミス。CGの普及していない時代、原寸大の模型を作って見てもらうべきか頭をよぎったのに、やり過ごしてしまった」。それ以来、一瞬でも引っかかったことはうやむやにせず、丁寧な対応を心掛ける。「住宅は、引き渡し後が長い。心の底から納得のいくものにしないと」と、表情を引き締める。

依頼主には、「何でも言ってほしい。思いを共有したい」。4年前に立ち上げた設計部門のブランド名「ビスポーク」は、対話という意味だ。打ち合わせに力を入れていて、1回で8時間に及ぶことも。依頼主の希望をかなえるため、建材を探して全国を駆けずり回り、プラモデルや昆虫など、趣味の店にも足を運ぶ。「どれだけ、お客さまのこだわりを実現できるか。できないとは言いたくない」と、120%のエネルギーで臨む。

建築の道に進むと決めたのは、大学卒業後。税理士を目指していたが、「クリエーティブな仕事がしたい」と、進路変更。1年アルバイトで学費をため、建築の専門学校へ入学。中学生のころからタイムス住宅新聞の平面図を見て、「私ならこうする」と考えることが好きだった。

学校を卒業、建築士になったものの、初仕事で打ちのめされた。リゾートホテルの改装の現場監督として3カ月、現場で延べ約1500人の職人を調整し、取りまとめる。技術やコストの知識も、人付き合いも必要だ。時には、職人同士のけんかを仲裁したことも。「人も天候も、毎日予期しないことの連続。一時は体を壊すほど悩んだ」。それでも、「早く仕事を覚えて、面倒くさいと言われるくらい的確な指示を出せるようになりたい」と、仕事帰りに酒を酌み交わして「かわいがってもらった」。

その3年後、初めて設計・施工を手掛けた。当時は、夢がかなった喜びより、恐怖が大きかった。「間違いはないか。安全か。向こう何十年、人が住む場所。図面の線一本の過ちが大きな問題を引き起こす」と、責任の重さを痛感したからだ。今も、考えに考え抜いて線を引く。

それから約60軒、設計したのはすべて住宅だ。コンクリート打ち放しのスタイリッシュな造りで、大きな窓を設けたプランが多い。「できるだけ、遊びを取り入れるようにしています。家中どこでも、ぼーっと木漏れ日を見て、こんな影ができるんだと思えてもらえるといい」。

一見、サバサバとした姉御肌に見えるが、「本当は、小心者で人見知り」。入社以来、気持ちを奮い立たせて人に関わり、仕事に向かい続けた。結果、今では、「チームで一つのものを造り上げるのが、建築の醍醐味」と話すまでに。「人は変わる」と笑う。

6年前、取締役室長に就任。経営に携わるようになり、意識が変わった。「若手を育て、働き方を見直して、社員を幸せにすることが目標。全員が誇りをもって働ける職場にしたい」。

現在、2年後に控える住宅の建築物省エネ法の義務化に危機感を募らせる。「既存の家造りができなくなる。対策室を設けて、動き始めています」。先を見据え、真摯に家造りに取り組み続ける。



(株)紀建設|17、18日に住宅完成見学会
17、18日に住宅完成見学会
伊波さんが設計した住宅の完成見学会が2月17日、18日にある。住宅は、夫婦が住む平屋建て。老後を見据えて、必要最小限にそぎ落としたシンプルな住まいだ。アパートに囲まれた住宅地で落ち着いて生活ができるよう、壁で囲んで視線を遮り、中庭を設けた。
完全予約制。キッズルーム有り。

<問い合わせ>
(株)紀建設
098-890-6225
http://www.ki-kensetsu.jp/
メール info@ki-kensetsu.jp


ホテルで一流を学ぶ|funokinawa
ホテルで一流を学ぶ
「一流を知る努力をしないといけないと思い、時々、背伸びしてホテルへ行きます」と伊波さん。年に数回、県内外のホテルへ足を運び、ゆったりと過ごす。「ホテルの心地良さを知るお客さんの家を設計をするには、同じ感覚を知らないとできない。部屋の造りや演出、清潔さ、プロのサービスなど、学ぶことは多いです」。お気に入りは、パークハイアット東京=左写真=と、アマネム(三重県)=同右。(3面の写真はすべて、伊波さん提供)


伊波さんのハッピーの種|funokinawa

伊波さんのハッピーの種
Q.幸せを感じるのは、どんな時?
レストランで、仲間とお酒を飲むことです。以前はビール党だったのですが、尊敬するお客さまにワインの素晴らしさを教えてもらい、その奥深さに魅せられました。今ではワインが大好き。情報が書かれた「エチケット」(ラベル)を、収集しています。おいしいものもお酒も大好きなのですが、一緒にいる仲間がいてこそ。一人より、みんなで楽しむほうが好きですね。


(株)紀建設 設計室取締役室長 一級建築士の伊波亜砂子 さん
PROFILE
いは・あさこ
1973年東京都生まれ。13歳で父の出身地である沖縄へ移り住む。96年琉球大学 法文学部 経済学科卒業。1年間アルバイトをし、97年パシフィックテクノカレッジ学院 建築学科に入学。99年同校を卒業し、(株)紀建設に入社。約60軒の住宅の設計・施工に携わる。2012年設計室取締役室長に就任。一級建築士。



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撮影/比嘉秀明・編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』彩職賢美<1288>
第1595号 2018年2月15日掲載

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栄野川里奈子

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編集者
おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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