整理収納をサポートする根原典枝さんが、人生を軽くするための心持ちをつづるエッセー。自分らしく生きるために、情報を減らすことを勧めます。
最近、子供たちの影響もあり散歩のお供にOfficial髭男dismの曲をよく聴いています。「らしさ」という曲を聴いて、「私らしさ」の意味を調べました。「他人の評価ではなく、自分が大切にしたいことや心地よいと感じる気持ちに素直でいること。“こうあるべき”という周囲の期待ではなく、自分の本音に従って生きること」とありました。
人はつい、他人と比較してしまうものです。あの人の暮らし。あの人の仕事。あの人の家庭。あの人の才能。
人にはそれぞれ価値観や生き方があり、優劣をつけるものではないと分かっていても、つい比較して「まだ足りない」「もっと頑張らなければ」と思い込んでしまうことがあります。時として比べることで「私にはもう遅い」とあきらめに近い感情を抱くこともあるでしょう。
でも、人それぞれ育った環境も経験も、置かれている状況も、価値観も、感じ方、進み方も違います。自分を誰かの物差しで測る必要はありません。
これまで誰かの期待に応えようと必死に頑張ってきた人もいるでしょう。周囲に合わせて、自分の気持ちを後回しにしてきた人もいるかもしれません。けれど、人生の舵を握るのは自分自身です。誰かの価値観ではなく自分の価値観に沿って生きていく。すると少しずつ、自分の人生の舵を自分で取り始められるようになります。

夢中になれることは?
価値観を探すヒントは、とてもシンプルです。“夢中になれること”。ワクワクすること。気づけば、考えていること。時間を忘れるほど好きなこと。「もっと知りたい」と自然と思えること。それは、料理や仕事、ゴルフ、子供たちの部活の応援、推し活かもしれない。ゲームに夢中になる子どものように、「もっとやりたい」と思えるもの。
ちなみに、私自身の価値観の優先順位が高いのは「仕事」です。もっと良くできないか。どうしたら人の役に立てるか。もっと伝わるか。そんなことを考えていると、時間を忘れてしまいます。
そして次に「旅」のこと。これまで後回しにしてきましたが、子育ても卒業間近になった今、旅をしながら仕事ができるよう、少しずつ準備を進めているところです。
そんな自分と出会うためにも、自分とつながる時間を増やすことが大切です。SNSで誰かの暮らしや価値観が次々と流れてくる今、いつの間にか他人の価値観を自分の価値観だと思い込んでしまうことがあります。たくさんの情報を受け取り続けると、“考える”ことより“処理する”ことに時間を使っています。すると、本来の自分の声が聞こえにくくなっていくのです。
だからこそ、一度情報を減らすことをおすすめします。スマホでSNSや動画を見る代わりに、映画館の大きなスクリーンで臨場感を味わう。日の出の瞬間のビーチを歩いてみる。ホテルのラウンジで好きなドリンクを飲みながら、ゆっくり読書を楽しむ。好きな音楽を聴きながら散歩をしてみる。“自分だけの時間”を過ごしてみる。
「私が私につながる時間」を増やすことで、少しずつ、自分の本音や感覚に気づきやすくなっていきます。
本当はやりたかったけど、後回しにしてきたことはありませんか? 違和感がありながら「自分がやらなければ」と思い続けていることはありませんか?
違和感は、自分の内なる声からのメッセージ。その声をちゃんと聞いて、「私らしく」と向き合ってみる。50代はそんな自分と再開できるすてきな年代です。貴方が夢中になれることは、何ですか?
執筆者プロフィル

ねはら・のりえ/1972年うるま市出身。2010年に片付け・掃除で悩む人をサポートする(株)暮らしかたらぼを設立。
電話 080(2731)8883
https://kurashikata.co.jp
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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」50代から人生を軽く③
第2027号(2026年6月18日発行)より転載