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精神科医の長田清さんが、人生を豊かにする心の持ち方や、職場や親子の人間関係についてなどをテーマにつづります。(文/長田清 長田クリニック院長)
積極的休養のススメ
4月は新しい生活が始まります。新しいクラス、新しい学校、新しい職場、新しい人間関係、そんな未知への旅立ちに期待と興奮を覚えるものです。でもその一方、漠然とした不安を感じる方も多いのではないでしょうか。人間にとって不安の一つは「見通しが立たないこと」です。新しい環境には何が待ち受けているのだろうか、要求されることについていけるだろうかなどと心配。さらに多くの人が心配するのは「人間関係」。友達ができるだろうか、職場の人とうまくやれるだろうか、嫌われないだろうかと悩みます。
そこで脳はフル回転して、新しい環境に適応しようと、人の名前や特徴、役割、新しい規則やルール、安全・危険の判断、好き・嫌いなどを次々インプットしていきます。じっと座っているだけでも、脳が大量のエネルギーを消費するので、一日の終わりにはヘトヘトになっています。この疲れは一晩寝れば解消できるかというとそうでもありません。動き回っての肉体疲労は睡眠で回復しますが、脳疲労(精神疲労)は寝てもなかなか取ることができません。ではどうするか。
精神疲労からの回復には、悩み・問題モードからの離脱が必要で、そのために積極的休養を心がけましょう。
ポイント1「オンオフの切り替え」
職場や学校を一歩出たら、嫌なこと、つらかったこと、ネガティブな気持ちを振り払います。家に着いたら、アレルギーの元になる花粉を振り払うように、顔を洗い、服を着替えます。気分一新して、プライベートモードに切り替えます。
ポイント2「タイムアウト」
嫌な考えを引きずっていたら、その場を離れるのが原則。考えていた場所から離れて、台所に行く、トイレに行く、ベランダに行く、ちょっとコンビニに行く、公園に行く、買い物に行く、ランニングする、人と会うなど。趣味とか楽しみとかの手段を普段からたくさん用意。時間を決めてゲームする、動画を30分だけ見るなどでもいいです。

ポイント3「ルーティン化」
何をしようか迷って考えていると、無駄に時間が過ぎエネルギーを浪費し疲れます。有効なのは、生活の中に「いつも通り」のルーティンを組み込むことです。朝目覚めたらすぐに起きて、コップ一杯の水を飲む。トイレに行って、今日着る服を用意し、お気に入りのコーヒーを入れる。「小さな習慣」が、迷いを取り除きます。
ポイント4「希望にフォーカス」
そもそも4月は新しいことへの挑戦のチャンスですから、ワクワクする興奮を思い出しましょう。3カ月後、1年後、3年後どうなりたいか、楽しい夢(大きな希望)を描きましょう。それが目標になって実現性が高まります。
こうやって積極的休養に取り組むと、日々が小さな喜び・楽しみに満たされ、重く疲れた体を癒やしてくれます。次回は小さな希望について話しましょう。
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執筆者プロフィル

ながた・きよし/2001年に那覇市で長田クリニック(精神科)を開院。心理療法の活動に軸を置く。沖縄いのちの電話理事長。おきなわCAP代表。沖縄エッセイスト・クラブ会長。著書「ドクトルきよしの大ピンチ」ほか多数
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」ドクトルきよしのダイヤローグ(1)
第2019号(2026年4月23日発行)より転載