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家族の健康が気がかりな「ほーむさん」が専門のドクターを訪ね、気になる病気について聞くこのコーナー。今回から4回にわたって目の病気にスポットを当てます。今回は加齢黄斑変性について、琉球大学大学院 医学研究科 医学専攻 眼科学講座 教授の古泉英貴先生に話を聞きます。(取材/堀基子・ライター)
高齢化で患者数が急増!/早期の治療で視力の改善も
Q1 加齢黄斑変性とは?
眼球をカメラにたとえると、フィルムに相当する網膜で、1番大事な黄斑という部分が加齢によって傷み、特に視点の中心部が見えにくくなって、物がゆがんで見えたり、色のコントラストが分かりにくくなったり、視力が低下したりする病気です。喫煙や長期間強い光線を浴びることが発症のリスクを高めるとされています。
欧米では成人の失明の原因の第1位、日本では4位で、50代から増え始め、70代以降に多発します。高齢化に伴って日本全国ではもちろん沖縄県でも患者が急増していて、今後はさらに増えると予想され、当院でも年間で約2千人に治療を行っています。
加齢黄斑変性には新生血管型と萎縮型の2種類があり、日本では約8割が新生血管型、欧米では逆に萎縮型が約8割を占めています。新生血管型は、黄斑にもろく異常な血管が増えることで発症し、進行が早いのが特徴です。萎縮型は網膜そのものが老化していくタイプで、ゆっくりと進行していきます。
Q2 治療法は?
新生血管型は、かつてはレーザー光凝固術や光線力学的療法などで治療が行われていましたが、2009年頃からは抗VEGF療法という薬物療法が主流となっています。これはもろい異常な血管が増える原因を抑える薬を、細い針で眼球内に注射する治療法で、早期であれば視力が改善することも期待できます。近年は以前よりも長期的に効果が持続する薬が登場し、注射の回数が減りました。
一方、萎縮型は、以前は治療法がありませんでしたが、網膜の萎縮の進行を遅らせる補体阻害薬が登場し、昨年末から使用可能になりました。ただし、いずれのタイプの加齢黄斑変性にせよ、網膜の視細胞は傷んでしまうと再生することができませんので、早期に発見して治療を開始することが何よりも重要です。

片目を閉じて、もう片方の目だけで、この方眼紙のような図の中心点を見つめてください。正常であれば中心点も線もそのまま見えますが、加齢黄斑変性の場合は、線がゆがんだり、中心部が見えにくくなったりします。セルフチェックは、細かい文字が並んだ新聞を見ることでも確認できますので、ぜひ試してみましょう。
Q3 リスクを下げるには
生活習慣としては、まずは禁煙すること、強過ぎる光線を可能な範囲で避けることです。また、抗酸化作用にすぐれた緑黄色野菜や色鮮やかな果物、ルテインが豊富なほうれん草や小松菜、ケールなどを食べることは、発症のリスクを下げるとされています。さらに、50歳を過ぎたら定期的に眼科健診を受けて、加齢黄斑変性を早期発見することが非常に大切です。
次回は、白内障を取り上げます。
教えてくれた人

こいずみ・ひでき/琉球大学大学院医学研究科医学専攻眼科学講座教授
1998年、京都府立医大卒。医学博士。東京女子医大講師を経て2017年から現職。加齢黄斑変性をはじめ、黄斑疾患診療・研究の国際的リーダーの1人として広く知られ、県内外から多くの患者が訪れる。日本眼科学会認定専門医。日本眼科学会評議員。日本網膜硝子体学会理事。米国黄斑会議(Macula Society)正会員。モットーは「医師として生涯自己研さんを惜しまない。自分や家族にしない治療は決して患者さんには行わない」。
お問い合わせ
琉球大学病院
沖縄県宜野湾市字喜友名1076番地
電話 098(894)1301
毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」身近な病気もっと知ろう 家族の医学手帳(147)
第2043号(2026年10月8日発行)から転載