医師の安谷屋徳章さんが、「過度な塩分制限による悪影響」について解説します。(文/安谷屋徳章 ゆいゆい内科クリニック院長)
皆さんは「高血圧は塩分を減らせば減らすほど良くなる」と思っていないでしょうか。確かに高血圧のある人には減塩が推奨されていますが、塩分だけが原因ではないので、減らし過ぎによる健康被害にも注意が必要です。特に夏場に大量の汗をかいた際に、塩分が不足すると頭痛や吐き気、集中力の低下が起こり、重症になると意識障害やけいれん発作を引き起こすことがあります。
実は沖縄県は全国でも塩分摂取量が最も少ない県です。もともと沖縄はかつおだしや昆布のうま味を生かした食文化が根付いており、料理に塩を多く使わないことや、他府県のように毎食みそ汁を飲む習慣が比較的少ないことなどが理由の一つと考えられています。さらに高温多湿の気候が長く続くため、日常生活でも汗をかきやすい地域。夏場だけでなく春や秋でも屋外での仕事や農作業、ウオーキング、ゴルフ、部活動などで、気付かぬうちに大量の汗をかいていることがあります。普段から減塩を心がけている人ほど、このような場面では体内の塩分が不足しやすくなるため注意が必要です。大量に汗をかいたときは、水分だけでなく梅干しや塩あめなどを利用して適切に塩分を補給することも大切です。
もちろん「沖縄県民は塩分を多く取っても問題ない」という意味ではありません。ランチョンミートや加工食品、インスタント食品、外食を利用する機会が多い人は、知らないうちに塩分を取り過ぎている可能性も。健康のためには、外食や加工食品に偏らず自炊を増やすなど、普段は適度な減塩を心がけることが大切です。
夏場や運動時には水だけでなく塩分も意識して補給することが重要。一方でスポーツドリンクには糖分も多く含まれているため、塩分補給だけを目的に飲み過ぎると糖分の過剰摂取につながります。スポーツドリンクは大量に汗をかいた場合など必要な場面で上手に活用し、普段は水やお茶で水分補給をしましょう。
執筆者プロフィル

あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」健康チャレンジ!(76)
第2031号(2026年7月16日発行)より転載
