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医師の安谷屋徳章さんが、「必要以上に食べたくなりやすい状態“肥満脳”」について解説します。(文/安谷屋徳章 ゆいゆい内科クリニック院長)
「肥満脳」という言葉をご存じですか。医学的な正式名称ではありませんが、食欲をコントロールする脳の働きが変化し、必要以上に食べたくなりやすい状態を表す言葉として使われています。
私たちの脳には空腹や満腹を調節する仕組みがあります。しかし、肥満が進むとうまく働かなくなることがあります。満腹を感じにくくなったり、甘い物や脂っこい物を見るだけで「食べたい」という気持ちが強くなったりするため、必要以上に食べてしまいやすくなるのです。また、空腹ではないのに、ストレスや退屈、習慣などをきっかけに食べてしまうことも少なくありません。疲労そのものがストレスとなり、疲れた後に食欲が増してしまう人もいます。つまり、太れば太るほど食欲をコントロールすることが難しくなり、ダイエットも成功しにくくなってしまうのです。
改善するには、まずサラダに卵や豆腐、鶏ささみなどを加えた、たんぱく質と食物繊維が豊富な食事を心掛けることです。そして、すぐに飲み込まず、いつもよりよく噛(か)むこと、夜更かしを避けて就寝・起床時間を一定にすることも大切です。また、運動による疲労がストレスとなり食欲が増す場合があるので、体操などの軽い運動から始め無理なく続けることが勧められます。
「食べ過ぎるのは自分の意思が弱いから」と自分を責めてしまう人は少なくありません。しかし、肥満には脳の働きが関係している場合もあります。脳が「食べたい」と感じても、本当に体がエネルギーや栄養を必要としているとは限りません。食欲に振り回されるのではなく、自分の体に本当に必要な食事なのかを一度立ち止まって考える習慣を身につけることが大切です。根性だけで食欲を我慢し続けることには限界がありますが、脳の食欲のサインを冷静に見つめ直して、肥満の悪循環を断ち切ることも大切なのです。
執筆者プロフィル

あだにや・のりあき。糖尿病や生活習慣病の改善を専門とするゆいゆい内科クリニック院長。自身も糖質コントロールで20キロ痩せた。著書に「沖縄の医師が教える糖質コントロール健康法」など
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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」健康チャレンジ!(77)
第2036号(2026年8月20日発行)より転載
