人生を振り返り前向きに|これから始める終活ノート

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読者からリクエストの多かった終活の連載がスタート! 終活カウンセラーの東恩納寛寿さん(49)のお薦めは、エンディングノートを書くこと。38歳でノートを書いた経験から、「過去を振り返り、未来への希望を書くことは、前向きに生きることにつながる」と話す。(編集部/栄野川里奈子)

「エンディングノート」を書こう

エンディングノートは市販のものでも手持ちのノートでも、形式は自由だ。項目はウェブで調べられる。ただ、いざ書こうとすると、項目の多さに戸惑う人が多いという。東恩納さんは「まずは、いざという時に家族が困ることを優先して書き出すといいですよ」とアドバイスする。

優先した方がいいのは、いざという時に意思表示が必要な「医療や介護」、亡くなった直後すぐに決める必要がある「葬儀やお墓」だという。どれも正解・不正解がないからこそ、本人の意図が不明だと家族の負担が大きくなる。「コロナ禍を境に、供養のあり方は大きく変化。お墓は永代供養が一般的になり、墓じまいを希望される方も増えました。ただ、いざ実行するとなると、親戚からの助言や昔からの風習などで、どうすべきか悩んでしまうご家族も多い。だからこそ、本人の希望がノートに一言あると、ご家族は『本人の望みだから』と、迷わずに進められます」

気を付けるべきは、書くタイミングだ。元気でない時に最期を連想することはつらく、冷静に考えることも難しい。「エンディングノートを書くのは、心身が元気なときがベスト。取り組むのは、早いほどいいですよ」。まずは、チェックシート=下=に、書き込んでみてはどうだろう。

「したいこと」を書く

「エンディングノートは死の準備ではなく、『これからどう生きるか』を見つめ直す前向きなステップです」と東恩納さん。お勧めが、これからしたいことや家族へのメッセージを書き記すことだ。「私自身、エンディングノートを書くことで、家族への感謝や未来への希望が湧いてきました」。東恩納さんには、10代のころに亡くなった母の看取りへの後悔がある。「病名や余命を知らずに亡くなった母は、やりたいことができたのだろうか」という思いが、活動の原動力となっている。

「親に書いてほしいけれど切り出しにくい…」という人へ、次の方法を勧めてくれた。「月に1度、食事をしながら、自分はこう思うけどどう? と、一緒にノートを書くのはどうでしょう。人が集うシーミーやお盆は、いいタイミングです」と話した。

[私の終活]Sさん(50代)/通帳や保険の書類をまとめておく

自分で運転するほど元気だった両親(80代後半)が、父は急な体調不良で入院後、軽度の認知症になって施設に入所。母は血液の病気の発覚から、わずか3カ月で亡くなりました。

治療にあたり、病院で延命治療や胃ろうが必要になったらどうするか確認されましたが、本人に意思を確認できず、迷いながら決断しました。逆に、母が「葬儀は小さく」と話していたため、家族葬に。葬儀後、周囲から助言があったのですが、「母の意図なので」と伝えることができました。

死後の手続きでは、把握していなかった不動産の申告漏れで税務署から連絡が来て、対応に追われました。預金していた金融機関をすべて把握できたか、保険に入っていたかは、今でも分かりません。これらの経験から、私は通帳や保険の書類を分かりやすくまとめ、娘に伝えておこうと思っています。

教えてくれた人

公益財団法人沖縄県メモリアル整備協会の東恩納寛寿さん。終活支援部部長。終活カウンセラー1級


毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」これから始める終活ノート(1)
第2019号(2026年4月23日発行)から転載