投資の適切な割合って?|マネーのヒント!

物価上昇が続くなか、預貯金だけではお金の価値を守りにくい時代になり、多くの人が投資信託や株式投資を始めています。近年を振り返ると日本株も米国株も大きく上昇し、新NISAをきっかけに投資を始めた人の中には「投資をすれば自然と利益が出るもの」と感じている人もいるかもしれませんが、利益が出やすかった環境が今後も続くとは限りません。(文/岡田有里・ファイナンシャルプランナー)

「守り」と「攻め」を意識する

資産運用には波がある

資産運用において大切なことは「資産運用には必ず波がある」という事実を忘れず、上昇と下落の両局面で資産運用を考える事です。その方法として、資産を株式に集中させず、債券や現金も組み合わせることで相場変動の影響を和らげることができる「バランスを取った運用」があります。

例えば、老後資金が心配だからといって、生活防衛資金まで株式投資に回してしまうと、市場が下落したときに精神的な負担が大きくなります。反対に、すべてを預金で持っていると、インフレによって実質的な価値が目減りする可能性があります。必要なのは、守りと攻めのバランスです。

守りと攻めのバランスが大事

例えば、バランスの目安の一つとして資産全体の6割程度を「守り」、4割程度を「攻め」に配分する考え方があります。
・現金30%
・債券30%
・株式40%
という配分です。

現金と債券は「守り」として急な出費や相場下落時の安心材料となります。一方、株式・投資信託は「攻め」として将来の物価上昇に対応しながら、資産を少しずつ育てていく役割を担います。

もちろん正解は人によって異なります。そして、適切な割合は年齢、年金額、退職金、家族構成によって変わります。しかし重要なのは、「全部投資」でも「全部預金」でもなく、「自分が安心して続けられる配分」を見つけることです。

貯蓄と投資は役割が違う

私たちは貯蓄と投資を対立するものとして考えがちですが、本来は役割が違います。貯蓄は「人生を守るためのお金」です。病気や介護、住宅の修繕、家族のサポートなどいざという時にすぐ使える現金は大きな安心につながります。一方、投資はインフレ対策をしながら人生を楽しむためのお金です。将来の旅行、学び直し、老後の豊かな暮らしなど、「未来を充実させるためのお金」を育てる役割があります。

将来への安心を確保しながら、旅行に出かける。趣味を続ける。友人と食事を楽しむ。新しいことを学ぶ。そんな人生を支えるのが、守りと攻めのバランスです。人生を守るための貯蓄と、人生を楽しむための投資。その両方を持つことが、現代を生きる私達にとって現実的で豊かな資産形成だと筆者は考えます。

これを機会にご自身の資産を「守るお金」「攻める投資」に分けて見直してみてはいかがでしょうか? 預金や債券、投資信託や株式が現在どのような割合になっているかを書き出してみるだけでも、新たな気付きになるかもしれません。資産運用は大きな決断よりも小さな確認を積み重ねながら進むことが大切なので、ご自身の資産バランスを点検してみる事をお勧めします。

執筆者プロフィル

おかだ・ゆり/ファイナンシャルアライアンス(株)沖縄支店所属。外資系企業をへて沖縄へ。女性のマネー知識の底上げをライフワークに活動

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毎週木曜日発行「週刊ほ〜むぷらざ」マネーのヒント!(28)
第2029号(2026年7月2日発行)より転載