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2018年12月20日更新

運動障害や軽度認知障害の症状緩和|教えて!ドクター当山<211>

脳の血管が詰まる「脳梗塞」。発症すると、運動障害や認知障害などの後遺症が残るケースが多い。そうした症状の緩和が期待できる画期的な治療として注目を集めているのが、「幹細胞を用いた静脈注射療法」。10月に同治療を受けられる医療施設となった当山美容形成外科の当山拓也院長に話を聞いた。

脳梗塞発症から3カ月以上経過した慢性期の患者が対象

脳梗塞の後遺症に対する「幹細胞を用いた静脈注射療法

慢性期はリハビリが主
有効な治療はなかった


脳梗塞には、これまで、どのような治療があったのですか?
当山
脳梗塞の治療には、脳の動脈に詰まった血栓を薬で溶かす「血栓溶解療法」やカテーテルで血栓を取り除く治療などがあります。ただし、いずれも発症直後の急性期の患者さんが対象。症状が落ち着いた慢性期は、障害を受けた機能をできるだけ回復・維持するためのリハビリが主流で、有効な治療はほとんどありませんでした。


貴院で行っている「幹細胞を用いた静脈注射療法」とは?
当山
自分の体から採取した幹細胞を特殊な技術で数億個まで増やし、点滴で脳へ送る「再生医療」の一種。脳梗塞発症後、3カ月以上が経過した慢性期の方が対象です。
服の脱ぎ着や歩行、食事に介助が必要だったり、ろれつが回らないなどの「運動障害」や、時間の見当が付かない、意欲や関心が低下するといった「軽度認知障害」の症状緩和が期待できます=表参照。残念ながらこの治療は、現在、保険治療の適応ではありません。
 



自身の幹細胞を点滴で脳へ
脊髄損傷の後遺症治療にも


同治療のメカニズムや効果について教えてください。
当山
脳梗塞の後遺症は、血流が滞って脳細胞が死滅してしまうことで、体の神経機能などが麻痺して起こります。一度死滅した細胞は元に戻ることはないと言われてきましたが、点滴で脳に幹細胞を送ると、何らかの作用で死滅した脳細胞に置き換わる働きがあることが分かってきました。
実際、半身麻痺で腕が上がらなかった人がドアノブがつかめるようになったり、物忘れがひどくなってきた人が忘れにくくなるといった具合です。完全に元に戻るわけではありませんが、自立につながるなど患者さんのQOL向上に役立つ同治療の意義は大きい。こうした再生医療を用いた治療は、脊髄損傷の後遺症に対しても既に認可されています。


脳梗塞の後遺症に悩む読者にアドバイスをお願いします。
当山
幹細胞を用いる再生医療は、特定認定再生医療等委員会が、治療の妥当性や安全性・医師の体制などを厳しく審査。そこで適切と認められ国に治療計画を提出できて初めて治療が行えます。当院では神経内科や脳外科の専門医と連携。正式なプロセスを踏んで第二種再生医療等計画を提出し、計画番号を取得しました。
高齢化社会が進むにつれ、脳梗塞はますます増えることが予測されます。後遺症に悩む方は、クリニックまでご相談ください。




当山拓也 氏
当山美容形成外科 院長

東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研さんを積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、一昨年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。昨年6月、同院院長に就任。


<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com

※次回は「マシュマロバストを目指すなら『モディバ』を用いた豊胸術」です。


<過去記事一覧>
『週刊ほーむぷらざ』 教えて!ドクター当山<211>
第1639号 2018年12月20日掲載

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