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2017年4月27日更新

血管浮き出た症状に専用レーザー|教えて!ドクター当山<191>

40歳以上の女性に多く、「足がむくんでだるい」「血管が浮き出る」などの症状が出る「下肢静脈瘤」。治療は静脈瘤のタイプで異なるが、今春、当山美容形成外科では健康保険の適応が認められた専用レーザーを導入した。下肢静脈瘤の治療について、同院の當山護院長、拓也副院長に聞いた。

「下肢静脈瘤」保険適応の最新治療

足の静脈弁が壊れ逆流
出産女性の2人に1人


―下肢静脈瘤はどんな病気ですか?


足の静脈は重力に逆らって血液を心臓へ運ぶため、逆流を防ぐ目的で各所に弁がついています。この弁が何らかの原因で壊れることで血液の循環が悪くなり、引き起こされるのが下肢静脈瘤です。
足のだるさやむくみ、つりやすい、疲れやすい、血管がボコボコ浮き出てきたなどの症状があり、美容師や教員といった立ち仕事や出産、激しいスポーツ、遺伝などが原因と考えられています。日本人の10人に1人、出産経験のある女性の2人に1人が発症しているとのデータもあるほど身近な疾患であるにもかかわらず、治療法はまだまだ知られていないのが現状。どこに相談していいのか分からず、巡り巡って当院を訪ねてこられる患者さんもいます。

―保険適応となる専用レーザーを導入したそうですね。治療の特徴や、これまでの治療との違いは?

拓也
このレーザーの治療対象となるのは、大きなコブが皮膚表面に出てくる「伏在静脈瘤」。太ももの内側からひざ下にかけて走る静脈と膝裏から足首までの静脈に逆流が見られるタイプです=①参照。
従来は、足の付け根や膝の内側などを切開し静脈を引き抜く手術が一般的でしたが、入院が必要で、術後広範囲に内出血が出たり傷痕が残るリスクがありました。
一方、専用レーザー=②=による治療は、膝やふくらはぎの内側から血管に細いカテーテルを挿入。中からレーザーで焼くことで静脈を収縮し閉塞させるというもの。局所麻酔で行い所要時間は15分程度、傷もほとんど残りません。術後は歩いて帰宅でき、入浴も可能。体への負担はもちろんのこと、保険適応で費用的負担も少なくて済むメリットがあります。

 

レーザー使用には認可必要
症状に心当たりあれば相談

―下肢静脈瘤はほかにどんなタイプがあり、どんな治療ができますか?

拓也
逆流のある部位や静脈の太さによって、分枝型、網目状、くもの巣状などがあります=①。分枝型は、静脈瘤内に特殊な硬化剤を注入して血管をふさぐ「硬化療法」や、特殊な器具で静脈瘤を切除する「スタッブアバルジョン」が適応。網目状やくもの巣状などは、当院で既に取り入れているジェントルマックスレーザーが大変効果的で、自費治療となります。
なお、レーザーの使用にあたっては厚生労働省が定めた厳しい基準をクリアすることが必要。今回導入した新レーザーを取り入れている施設は県内でも数件、個人クリニックでは当院が初めてです。


―読者に向けてアドバイスを。

拓也
下肢静脈瘤は命に関わる病気ではありませんが、症状は心身ともに負担ですし、静脈瘤が原因だと気付かない場合も多い。治療すれば改善可能ですから、少しでも心当たりがある方は医師に相談することをお勧めします。


当山美容形成外科|下肢静脈瘤当山美容形成外科|下肢静脈瘤
①下肢静脈瘤のタイプ
上は血管が皮膚表面にボコボコと浮き出る「伏在型」で、下のELVeSレーザー1470による治療が適応。上は、かなり細かい血管が浮き上がって見える「くもの巣状」

当山美容形成外科|保険適応の専用レーザー
②保険適応の専用レーザー
保険適応が認められた静脈瘤専用のELVeSレーザー1470(左)とその治療風景(右)。局所麻酔で処置が可能で、術中・術後の痛みはほとんどない。術後は弾性ストッキングを着用し、歩行して帰宅が可能。翌日~3日後に術後チェックのため来院



当山美容形成外科院長と副院長
護院長(左)と拓也副院長


當山 護 氏
当山美容形成外科 院長

東京医科大学卒業後、東京警察病院形成外科に国内留学。日本形成外科学会評議員や日本美容外科学会会長を歴任。当時最新の形成外科、美容外科の知識を携え帰沖、当山美容形成外科院長就任。以来、常に新しい技術を導入し続け、現在も美容外科業界のリーダー的存在。


當山 拓也 氏
当山美容形成外科 院長

東京医科大学卒業後、東京大学医学部形成外科学教室入局。東京警察病院、杏林大学形成外科等で研鑽を積む。リッツ美容外科・東京院、東京西徳洲会病院形成外科・美容外科医長、アヴェニュー表参道クリニック副院長をへて、2016年4月に医療法人形成会当山美容形成外科副院長に。


<この記事に関する問い合わせ先>
医療法人形成会 当山美容形成外科
098-867-2093
http://www.touyama.com
Eメール info@touyama.com

※次回は「当山美容形成外科65周年記念公開市民講座」について。


<過去記事一覧>
『週刊ほーむぷらざ』 教えて!ドクター当山<191>
第1554号 2017年4月27日掲載

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