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2017年12月14日更新

新年、華やかにおもてなし|伝統的な琉球料理

【松本嘉代子のイチから琉球料理ー20ー】新年、華やかな琉球料理で食卓を彩ってみてはいかが。琉球王朝時代、来賓の接待に用意された「ゴボウ巻き」や「昆布巻き」、「山吹鯛」を紹介します。松本先生は「お正月料理は、一年の無事を祈って作る特別なもの。手作りすると、一層心新たに新年を迎えられますよ」と話す。

松本嘉代子のイチから琉球料理


写真右から、ゴボウ巻き、昆布巻、山吹鯛。ナンテンの葉と松の葉をあしらい、新年らしく盛り付けた

昆布のうま味たっぷり

昆布巻き

コツ
継ぎ目を内側にする

材料(15個分)
昆布(乾)/3枚
白身魚/200g
 ※アンダアチー(めかじき)、ミーバイ(はた)など
かつおだし/2+1/2カップ
酒/大さじ1
砂糖/大さじ2+1/2
塩/少々
しょうゆ/大さじ3

昆布は専門店で売っている昆布巻き用のまっすぐなものを使うと、キレイに巻ける。


①昆布はきれいに洗って戻し、20~24cm長さに切りそろえる。魚は昆布の幅に合わせて1.5~2cm角の棒状に切る。


②切った魚を芯にして、昆布でくるくると巻く。
ポイント 隙間がないように、きつめに巻く。


③巻き目が離れないように継ぎ目を内側に4~5本並べ、糸を通したふとん針で縫う。竹串を刺しても良い。
ポイント 糸と針で縫い、残った糸で巻いて固定する。


④鍋にかつおだし、酒、砂糖を入れて火にかけ、3を並べ、落としぶたをして軟らかくなるまで煮る。煮汁が半量になったら、塩、しょうゆを加えてさらに煮込んで味をよく浸透させる。
ポイント できあがったら、両端をそろえて切り落とすか、斜めに二つ切りにする。


 

ゴボウの香り豊か

ゴボウ巻き

コツ
肉の厚みを均等にする

材料
豚(背ロース)/300g
ゴボウ/3本
かつおだし/1~1+1/2カップ
酒/1/4カップ
砂糖/1/4カップ
塩/少々
しょうゆ/大さじ2


①肉の厚みを均等にする豚ロースは筋切りをし、肉たたきで叩いて、表面を均等に整える。めん棒やすりこ木でも代用可。
ポイント めくれないよう、巻き終わりの部分をできるだけ薄くする。


②ゴボウは洗って皮をこそぎ、6~7cmの長さに切り、米のとぎ汁(または水)につけてあく抜きをして軟らかくゆでておく。


③②のゴボウを芯にして豚ロースでクルクルと巻く。
ポイント 離れないよう、継ぎ目を下にする。


④鍋に分量の調味料を煮立て、ゴボウの巻き目を下にして丁寧に並べ、弱火でゆっくり煮る。味が染みてつやが出てきたら火からおろす。
ポイント 直前に中火にして、つや出しをして仕上げる。


 

鮮やかな黄金色

山吹鯛

コツ
じっくり昆布で締める

材料
鯛(たい)/100~200g
酒、塩、だし昆布/適量
卵/2~3個


①鯛は3枚におろして酒と薄塩を振り、昆布で締めておく。
ポイント 昆布を上下に敷き、鯛を挟む。冷蔵庫に入れ、2時間以上置く。


②卵は固ゆでにして、黄身だけを裏ごしをする。1の鯛をひと口大に切って、黄身をまんべんなくまぶす。
ポイント キレイな黄色に仕上げるには、卵を水から13~15分ゆで、急いで水にとる。

 




松本嘉代子先生は、「昆布巻きやゴボウ巻きは、琉球王朝時代のおもてなし料理である『東道盆』にも入っていた琉球料理。山吹鯛もめでたいお祝いの席にも使われた宮廷料理。新年のおもてなしにぴったりです」と話す。

おいしくキレイに仕上げるには、細かいところまで気を配ることが大切。「ゴボウ巻き」には、薄い肉を使い、肉を叩いて均一にし、巻き終わりをぴったりとそろえる。「背ロースが巻きやすくてオススメ。肉が厚いと離れやすいので、薄いもので何度も巻く方がうまくいきます」。

昆布巻きは、魚を芯にしてきっちりと巻く。巻き目が外れないよう、ふとん針と糸で固定する。「タコ糸は太過ぎて跡がつくので、タコ糸よりも細めの針と糸を使います。継ぎ目を内側にして縫って、残った糸を全体に巻いて固定すると安定します。竹串を刺しても良いですよ」。
ゴボウ巻きも昆布巻きも十分に火を通しているため、冷蔵で1、2日保存でき、前もって作っておける。

山吹鯛は、昆布締めにした鯛に、裏ごしした黄身をまぶし、見た目にも豪華に仕上げる。「昆布締めに時間が必要ですが、調理はすぐにできます。卵をゆで過ぎると黄身の周りが黒ずんでしまうので、ゆで時間に気をつけて」。

ゴボウは「根気がつく」、昆布は「喜ぶ」、鯛は「めでたい」にかかり、それぞれ縁起が良いとされている。「正月料理は、無事に一年を迎えられることを祝い、無病息災や子孫繁栄などを願って作られてきました。ぜひ、一品でも作っていただけたら」と勧める。



まつもと・かよこ
1969年、松本料理学院設立、学院長。NPO日本食育インストラクター1級、全国料理学校協会教員認定資格 特別師範、栄養士


 

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編集/栄野川里奈子
『週刊ほーむぷらざ』第1587号 2017年12月14日掲載
[レシピ・昆布巻き・ゴボウ巻き・山吹鯛・琉球料理]

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おいしいものに目がないガチマヤー(くいしんぼう)。2016年に国際中医薬膳師の資格をとりました。おいしく健康に!が日々のテーマ。

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