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2020年10月8日更新

10月は乳がん月間 早期発見が治療のカギ

10月は「乳がん月間」。近年では、働きながら治療する女性も増えた。日本乳癌学会理事の宮良球一郎医師は「まずは検診を」と呼び掛け、乳がんの治療と仕事を両立した池部彩子さんは「職場の理解があって感謝している」と振り返る。       

乳がん患者 治療と仕事の両立増加


■答えてくれたのは

専門医 宮良球一郎さん
医療法人月桃会宮良クリニック理事長。乳腺専門医。2020年から日本乳癌学会理事を務める。

閉経後の肥満でリスク高まる
Q・県内の乳がんの特徴は?

A・2000年頃には年間150人程度だった県内の乳がん患者の数は、2、3年前から1000人を超え、急速に増えています。
県内の特徴は、閉経後に乳がんになる女性の増加。その原因は肥満女性の増加と思われます。閉経前は、主に卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)は、閉経後には皮下脂肪から分泌されます。その女性ホルモンを原因とする乳がんが多く、肥満になるほど脂肪から女性ホルモンが大量に分泌され、乳がんの発生リスクが高まります。

乳がんの予防に重要なのは、「肥満にならないこと」。分かっていても、車社会で、高カロリーな食事が当たり前になっている沖縄では難しいかもしれません。しかし、今から肥満を予防しないと乳がんになる危険性は高まるばかりです。もう一度、自分でできる生活習慣の見直しを考えてみましょう。

Q・乳がんは治る?
A・早期に発見し、正しい治療を行えば、ほぼ治ります。近年は国内の全乳がん患者の生存率も改善傾向。専門の技師が増えて画像での診断率が上がり、専門医が世界中のデータに基づいた正しい治療を行っているからではないかと考えています。

乳がんの治療は、手術をして、ステージ(進行具合)で治療内容が決まると思っている人がまだまだ多いのですが、今はがんの生物学的な性質によって効果的な治療を決める時代。治療法の正しい知識を持っておくことも大切です。

Q・治療しながら仕事は可能?
A・治療と仕事の両立は可能です。治療に理解がある企業も増えています。仕事は社会とのつながりや、やりがいを感じることができます。治療は私たちに任せ、仕事を続けて日々の生活を楽しく過ごしてほしいと思います。

早期発見のためには、検診が重要です。新型コロナウイルスの影響で、検診を控える人がいますが、乳がんの発見が遅れる可能性があります。感染症対策をしっかり行っている医療機関で2年に1回を目安に検診を受けましょう。

■話してくれたのは

乳がん経験者 池部彩子さん
リゾートホテル「ANSA OKINAWA RESORT」人事部長。46歳の時に乳がんを経験。

休業制度を利用して治療、復職

Q・乳がんが分かった時期は?
A・6年前、右の乳房のしこりに気付きました。その1年前に検診を受けていたので、「まさか」という感じ。検査の結果乳がんで、左の乳房にもがんがあることが分かりました。
セカンドオピニオンも依頼し自分に合う方法をじっくり相談。手術や抗がん剤、放射線治療を行いました。夫から「自分で納得できる治療をしてほしい」と言ってもらえたことがうれしかったです。

Q・どのように治療と仕事を両立しましたか?
A・当時は現在とは別の県内のホテルで働いていました。仕事が好きで、管理職でもあったため仕事は続けることに。手術前は「3カ月程度で復帰できるだろう」と上司に伝えましたが、抗がん剤の副作用で想像以上に体がだるく、食事さえもつらくなりました。1年間休業できる社内制度を利用して治療に専念しました。

復帰後も抗がん剤の副作用で体調が優れない日は、小まめに休憩を取らせてもらいながら働くことができました。社内の理解があり、本当に感謝しています。私は全国健康保険協会の傷病手当金を受給しましたが、治療費の面でも仕事を続けて良かったです。現在はホルモン剤を服用中ですが、仕事に影響はありません。

Q・治療中大変だったことは?
A・抗がん剤の治療後に、だるくて思うように体が動かせずにつらかった。乳がんは「働きながら治療できる」と言われますが、副作用の程度は一人ずつ異なり、日によっても体調が違う。周りの人は「働けるんでしょ」ではなく、「働けない日もある」と思ってもらえると、患者さんは気持ちが軽くなるはず。

また、心掛けたのは「治療も仕事も無理し過ぎないこと」。今後は職場も巻き込んで、乳がんと闘う人の支えになれる取り組みを計画中です。

 

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この記事のキュレーター

スタッフ
比嘉知可乃

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新人プランナー(企画・編集)
1990年生まれ、うるま市出身。365日ダイエット中。
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