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2020年11月19日更新

[続・働き方ラボ]男性の育休は必要か?

文・比嘉華奈江[18]
今年、県内の企業の中で、キーワードとしてよく上がってきているのが「男性の育休を推進したい」である。なぜ、男性育休の取得推進をしたいのか? 担当者に聞くと、1番は「希望者が増えているから」だそうだ。「会社としては、働き方の多様性を認め、仕事のやりがいとともに生きがいを感じてほしい」という声が多くなった。

会社の発展、少子化対策にも

今年、県内の企業の中で、キーワードとしてよく上がってきているのが「男性の育休を推進したい」である。なぜ、男性育休の取得推進をしたいのか? 担当者に聞くと、1番は「希望者が増えているから」だそうだ。「会社としては、働き方の多様性を認め、仕事のやりがいとともに生きがいを感じてほしい」という声が多くなった。

男性の育休希望者7~8割

(社)日本生産性本部のアンケート(2017年)によると、「子どもが生まれた時には育児休暇を取得したいか」という問いに、男性新入社員の7~8割が「そう思う」と回答している。だが、実際には2019年調査では、日本での男性の育休取得率は7.48%。なぜ希望通り取得ができないのか?

育児介護休業法には、条件を満たす労働者から育休の申し出があったら事業主はそれを拒めない、と明記されている。つまり、たとえ就業規則に書かれていなくても、労働者から申し出れば該当する社員すべてが取得できるのだ。

男性の育休が必要だと思うか? これは、会社側が1度しっかり議論する必要がある。申し出があれば事業主は取得させるが、果たして心から「ぜひ取得してくださいね」と会社の誰もが思えているか? ただでさえ人が足りないのに、戦力のあなたが育休? という空気があると、取りたくても取りたいなんて言い出せないだろう。

ワンオペ育児は少子化へも

そもそも、男性の育休は必要なのだろうか。社会課題と、社内の人材育成の二つの観点から見てみたい。
まず社会課題としては、ずばり少子化問題だ。グラフ=下=にもあるように、1人目が生まれた時に夫が家事・育児に参加している時間が長ければ長いほど、第2子が産まれている。1人目で子育てと家事の全てを1人でこなす、いわゆるワンオペ育児をしている妻は、なかなか2人目がほしいとは思えないのかもしれない。




沖縄は、夫がいなくても頼れる親や家族が近くにいて、孤独を感じない場合も多い。皆で助け合って育児ができることは大変素晴らしいこと。ただし、「お父さん」の存在が「いなくてもいいや」となっている家庭があれば要注意だ。何より家庭での夫婦のあり方は、子どもたちにとって最大の鏡。今後グローバル社会を生き抜く子どもたちに、ジェンダーや男女共同参画を刷り込むのは「家庭のあり方そのもの」と夫婦で自覚する必要がある。


育休はスキルアップのチャンス

社内の人材育成という観点では、先ほど述べた「人が足りないのに育休?」という問題に対して、社内のスキルアップ、底上げのチャンスだと捉えてみてはどうだろうか。育休は、計画できる。「半年後から2カ月間取得する」と決めれば、半年間で業務の整理と見直しをすればいいのだ。もし自分だけで抱えている仕事があれば、これを機に、後輩へスキルやノウハウを伝授していく、マニュアルを作成していくなど、チームのスキルアップのチャンスだと捉えることで働き方改革へとつながっていくだろう。

何より育児に関わることそのものが、最大の自分育成。計画通りにいかない子どもとの数々の体験は、自分の器を広げてくれるに違いない。そして、事前準備の重要性やタイムマネジメント習得につながるだろうし、何より、目の前のわが子への愛情やいとおしい気持ちの芽生えは、何にも変えられない、人としての大きな成長や生きる喜びにつながるのではないだろうか。そんな気持ちを持って現場でリーダーとして活躍できれば、きっと、会社の発展にプラスの影響を与えるだろう。




ひが・かなえ
(株)Life is Love代表。日本教育推進財団認定コミュニケーション・トレーナー。2児の母。客室乗務員を14年務め2012年起業。経営戦略や働き方改革・チームビルディングなどの組織活性から人事評価制度や賃金制度構築までコンサルティング。

http://www.lifeis-love.com/

過去の記事はこちらから

『週刊ほ〜むぷらざ』続・働き方ラボ[18]
第1737号 2020年11月19日掲載

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比嘉華奈江

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株式会社Life is Love代表
日本教育推進財団 認定コミュニケーション・トレーナー
14年間の客室乗務員経験を経て、2012年起業。
経営戦略構築・働き方改革・チームビルディングなどの組織活性化コンサルティングから
人事評価制度や賃金制度を構築していく労務コンサルティングまでを
ワンストップサービスで提供。また、元客室乗務員メンバーから成るチーム「PLUS+」の総括も担当。
”価値をプラスする印象づくり”をテーマに、印象戦略支援や沖縄観光の価値の向上をお手伝い。

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