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COLUMN

金城真知子

2020年4月9日更新

「話を聞く」という愛情|金城真知子のコラム

3人の子育てワーキングママ金城真知子が綴る「ホッとする沖縄時間」を綴ります。



「話を聞く」という愛情

〜〜 家にいると お腹が減る? 〜〜

新型コロナの影響で新学期も休校になってしまったので、春休みからの延長でずーーーと自宅で過ごす日々。(加えて、今週からは夫も在宅ワークになった)

子どもたちと一緒に家にいると、やはりご飯の準備が大変!育ち盛りの子どもたちは、とにかくよく食べるからだ。ちょっとだけ宿題をやって家でゴロゴロしているだけなのに「お母さん、何か食べるのない?」「お菓子がもうナイんだけど〜」となってしまう。私自身もコーヒーのお供に加え、毎日3食を共にする為、家族中がここ1ヶ月で「ぽっちゃり」してきた気もする。。。

手軽なものばかり食べさせてはいけないと反省し、早速 母親に電話をかける。
栄養いっぱいの野菜をもらいたいと伝えると「夕飯食べながら、野菜もらいにおいで〜!」と、いつもと変わらぬハツラツとした声が返ってきた。




〜〜 母にかかってきた電話 〜〜

子どもたち3人を連れて 南城市の実家へ!
特に予定もなかったのでいつもより早めに実家に向かい、ちょうど母が夕飯の支度をしている時間に到着した。

夕飯を作っている最中も、手を動かしながら近況報告。2週間会ってなかったのでおしゃべりは尽きないから、ほんと不思議。
そんな時、母のスマホが鳴った。
「あい三女の姉さんからだね〜」と電話をうける母。
ここ数年、会っていないオバちゃんだったので、久々に声が聞きたくなって、用件が済んだら私にも電話を替わってね〜とだけ伝えた。

それにしても年配同士の会話は声が大きい(笑) 隣の部屋に移動しているのに、声がこちらまで響いてくる。。。そして、随分としゃべった後、母から電話を引き継いのだった。

「オバちゃん元気ね〜?」と話し始めると、畳み掛けるように切れ間なく話すオバちゃん。私から話題を振るきっかけもみつけられないまま、おしゃべりの渦に巻き込まれる。。。すごい勢いである。
ひとしきりオバちゃんの話を聞いて、話題が繰り返しになってきた所で「今度はシーミー(清明祭)で会おうね〜!」と、ようやく電話を切った。

その瞬間、両親ふたりとも私の顔をみながら「オバちゃんの話、長いよね〜」
くすっと笑った。「寂しいから、ただただ話を聞いて欲しいわけさ〜」


〜〜 「話を聞く」という愛情 〜〜

「それにしても長いんじゃない??」と感じてしまう私。
最近は「電話で話す」事がほとんど無く「よっぽどの急ぎ案件」くらい。
だからこそ、電話越しにあまり重要でない話を長々とされると、なんだか「時間の無駄」に感じてしまうのだ。。。

私の表情から察してか、父親が
「だってさ〜、ま〜ち〜、オバちゃんの状況をちょっと考えてごらん。
70歳まで仕事もバリバリやってたのに、免許も返納してからは家でひとり。。。話す相手もいない独りの時間って、そ〜と〜寂しいはずよ〜!それなのに、話を最後まで聞かないで電話を切るって、ちょっと情がないさ〜ね〜」と笑う。
父親と母親にとっては、それこそ「話を聞く時間」こそが愛情だというのだ。

確かに、、、言われてようやく、過去の感情とリンクする。

入院中のベッド上で感じた「何もする事がない静寂の時」
出産したばかりの頃に味わった「社会から切り離されたような孤独感」
思考が元気なだけに「時間が、ただ過ぎていく事を待つ」事の苦痛と寂しさで「誰かと話したい」と、心から願った事。「聞いてもらえる」だけで 心が元気になれた あの感覚。。。

こうして振り返ってみると、父と母、二人がこれまで大切にしてくれていたのは、家族の「話す時間を作る」事だったのかもしれない。

話しやすい「場を作る」為に「夕飯沢山つくったから 食べにおいで〜」と誘われ「休みだし、子どもたち預かるよ〜」と電話がある。加えて、収穫時期になると「野菜いっぱいあるよ〜」と声がかかり「猫も大きくなってるから見においで〜」と笑う。

「夕飯つくらなくて済むってラッキー!」くらいの軽い気持ちで、毎週のように実家に押しかけている私達だが、お互いが「しゃべる」事で楽になり、ただただ「聞いてもらう」事でお互いが、より近くなれる。

「そうね〜!」「大変だったね〜」「だっからね〜」「わからんけどさ〜」

特に学びがある訳じゃなくても、語尾の丸〜るい優しい相槌が飛び交う我が家。やっぱり、すごく心地良い。


〜〜 莫大なお土産は「つながり」の深さ 〜〜

そして、帰りは袋いっぱいの お土産を持たされる。
自家栽培の野菜に加えて、他の人からの頂き物を「お裾分け」してくれるのだ。
もらったエピソードを聞くたびに、うちの両親は「色んな方から頼りにされている事」に誇らしい気持ちになるし、こんなにも「つながり」を大切にしている事に、尊敬の気持ちでいっぱいになる。

「いつでも安心して 話せる場がある事」

私が目指したい家族のお手本は、やっぱりすぐ近くにあるようだ。



 



金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]

この記事のキュレーター

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金城真知子

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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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