「グレイの影と私だけの十月」|本村ひろみのコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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COLUMN

本村ひろみ

2019年10月4日更新

「グレイの影と私だけの十月」|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。fun okinawaコラム「おきなわ暮らし散歩 Vol.59」

「グレイの影と私だけの十月」
 
 今回のタイトル「グレイの影と私だけの十月」というのは、ユーミンの“さざ波”という曲の中にでてくるフレーズ。
 
“さざ波”は、1976年に発売された荒井由実時代最後のアルバム「14番目の月」のA面の1曲目で、歌詞は「秋の光」「二人で行った演奏会」とか「弦の響き」「月の形のボート」「ひざに開いた短編集」「エピローグ」「手紙」「岸の落葉」など、乙女心をくすぐるワードでつづられている。

そのうえアルバムジャケットは赤いリボンの掛かった華やかなピンク色で、金文字で印刷されたカードがリボンに挟まれているデザイン。このジャケットを見ただけで女子なら間違いなく胸キュンです。
なんてロマンチック!
10代の私はこの曲を秋のテーマソングに決め、レコードが擦り切れるほど聞いてはウットリと幸せな10月を過ごしていた。恋に恋する少女時代を盛り上げてくれたのもユーミンのこのアルバムのおかげ。
“心も文字も少しゆれてる、グレイの影と私だけの十月”
このフレーズを口ずさみながら大人になり「切ない」という感情も芽生えた。
 
季節を楽しむ。
台風のあと空を眺めたり、紫色の夕暮れに黄昏(たそがれ)たり、幻想的な月夜に散歩したり。

道端の花に足をとめて匂いをかいだりする。
日常の小さな習慣は10代から。
そのまなざしは鳥の目だったり、小さな虫の目だったり、こどもの目だったり。
私の感性は10代の頃のまま。
 
イギリスで過ごした2002年の秋から2003年の夏。
私はそれまで味わったことのない色彩の世界で過ごした。

10月は深みのある色が街を彩り、葡萄(ぶどう)色に深緑、辛子色に緋(ひ)色と日に日に変化する自然のグラデーションにため息だった。

光と影。
風が頬に冷たくささる頃、降り注ぐ光は憂いを帯びて影の縁取りがおぼろげに見え始める。

グレイの影。
私の足元から伸びるシルエットはまさにグレイの影。
10代の私が未来のこの瞬間によみがえった。
 
そして、そんなユーミンと歩いた「きらめく青春の日々」を一緒に楽しむセミナーが開催されます。
10月19日土曜日の午後1時 デパートリウボウにて。
「ユーミンと青春」
ただいま参加者をお待ちしています。
 
1972年ユーミンのデビューからともに青春を歩んだ皆さんの心の中にある、あの瞬間にタイムトラベル。
 
会場でお会いしましょう!
 

本村ひろみ

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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