地域と暮らし
2018年6月14日更新
引っ越し6カ月目|美容外科医のないしょ話
文/当山護(当山美容形成外科会長)
今年引っ越しをしました。私にとっては二つの居場所の引っ越しです。すなわち生活の場である住居と日頃の仕事場であるクリニックです。
生活時間全てが変化したと表現するのは少々大げさですが、でも…ですネ、日常のおおかたを過ごす居場所が変わったため、日々の身の動きに変化が生じたとお伝えしても過言ではありません。
通常、引っ越しとはマイホームの場合が多く、仕事場の引っ越しは転職による職場移動であろうと思うのですが、二つ同時の引っ越しを終え、一息ついて半年です。しかし、今でもこまごました時間の過ごし方では戸惑いが生じ困っております。
必要とする小物の置き場所が分からないのです。最近になり家庭ではやっと塩や砂糖の置き場所を覚えました。でも…ですネ、常備薬やハサミ・テープなどまれに使う小物入れの場所がまだ不明です。その都度、カミさんに家探しをお願いする始末が続いているのです。
一方、クリニックでもばんそうこう・大小包帯種類の置き場所、事務部門では原稿用紙や書類の整理で手間取っているのです。要するに、私は毎日周りの女性たちにアレコレ気兼ねし尋ねながら過ごしている引っ越し6カ月目です。そろそろ自分自身で物の置き場所くらい覚えねばならない時期なのですが…。
でも、ですね! 実は二つの引っ越しで感心する事を発見しました。日常品のこまごまとした小物類をきちんと整理整頓、しまい込んでいる…身近な女性たちがおられることを! 仮にこまやかに配慮する彼女たちがいなかったら、私は今もって自宅では冬夏の衣類がどこにしまってあるのか? オタオタして、仕事場では汗をかき術後処置に使う小物を捜し回る時間が増えていただろうと推測できるのです。
緻密に物を整理する女性らしい生活の感性を改めて感じる引っ越し6カ月目。でも…ですネ! あの繊細さゆえ、私は今もってカミさんのへそくり場所を探し切れず…かつ、直接尋ねてもきちんと教えてくれない女性の賢さに感心するのです。
『週刊ほーむぷらざ』
第1612号 2018年6月14日掲載