健康ファースト|新城和博のコラム|fun okinawa~ほーむぷらざ~

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新城和博

2018年1月25日更新

健康ファースト|新城和博のコラム

ごく私的な歳時記Vol.36|首里に引っ越して20年。「ボーダーインク」編集者でライターの新城和博さんが、この20年も振り返りながら、季節の出来事や県産本の話題をつづります。

年末の一週間、日頃の疲れか寄る年波のせいか伏せってしまった。インフルエンザではなくいわゆる風邪。なかなか熱が下がらず、仕事もキャンセル、忘年会もキャンセル、そしてこのコラムもお休みさせてもらった。去年は夏からずっとトレーニングルームに通って、走ったり漕(こ)いだり持ち上げたり押したり引いたりして身体を鍛えていたつもりなのだが、結局年末に寝込んでしまったのは残念至極だ。ひきつづき今年のスローガンは「健康ファースト」としよう。
 
体調がかろうじて回復した年越しは、つれあいの実家がある佐賀県伊万里市で過ごした。伊万里焼や伊万里牛、カブトガニ生息地、そして森永製菓創業者誕生の地として有名な町である。九州北部といえども何度か寒い冬を体験していたが、今回は病み上がりということもあり風邪がぶり返さないか戦々恐々していた。がしかし、寒さよりも空気が乾燥しているのが、なかなかつらかった。加齢と共に肌と感性がカサカサなのである。こんなこといままで感じたことなかった。

それでも年末年始の伊万里を味わうため、市街地のまち歩きや神社や陶工の里を訪ねたりして過ごした。せっかくだから温泉にも行った。加齢とは関係なく家にジッとしていられないのである。やがてそれは徘徊とよばれるのかもしれない。
そんな感じで正月三が日をなんとか乗り切り、福岡空港経由で那覇空港にようやく着いたのだが、ゆいレールへと続く通路で思わず「沖縄の湿気さいこー、暖かいのさいこー」とつぶやいてしまった。2、3日すると「……やっぱり寒いなぁ」と沖縄の寒さにも慣れてしまうのではあるが、しばしウインターシーズンにやってくる観光客の気持ちに寄り添うことができた。



伊万里でみつけた石敢當/写真左上
伊万里にて、日本の除夜の気配/写真右上
伊万里大川内山|秘窯の里でみた陶工たちのお墓、ピラミッドみたい/写真左下
福岡のうどんは柔らかくておいしい 博多っこのソウルフード!/写真右下




さて今年最初のイベントは、去年10月台風来襲で延期になっていた「沖映通り えきまえ一箱古本市」だった。年をまたいでなんとか継続されたのである。イベントを立ち上げたものの一人として思い入れのある古本市で、例年よりすこし規模は小さくなったが、沖映通りのジュンク堂前やゆいレール美栄橋駅前の広場で行われた。


おきえい通り「えきまえ一箱古本市スタート」

那覇にアラレが降った翌日である。なにもこんな寒い時期に……と思わないでもなかったが、快晴のもと、一箱古本市店主のひとりとして楽しく参加できた。防寒対策ばっちりで、売り上げも個人的には過去最高という結果で、当日の仲良し一箱古本市店主との打ち上げも盛り上がった。


一箱古本市、最後は寒くてこんな格好に

翌日は本もあいで西原町のブッキシュに集まり、5時間ほどひたすら年末年始の読書の話やプレゼントした本について語り合った。いつでもどこでも好きな本の話というのは楽しいものである。ささやかな至福の時間。

さらに翌日。某大学で行っている講座(というのはおこがましいが1年に6回だけしゃべっている)の今期最後の授業があった。学生たちに沖縄に関するコラムを書いてもらう講座なのだが、そのコラムを最終日に提出してもらい、僕がその場で読み上げてコメントしていくのだ。これが楽しい。いつも気配を消すかのように授業を聞いているのかどうかわからない学生たちだが、実はいろいろなことを考えているのだ。集まったコラムはどれもみんなユニークな視点でおもしろいったらありゃしないと、昭和チックな感嘆の言葉が出てしまう。コラムの朗読&コメントであっという間に時間は過ぎていった。

そしてその日の夜からまた微熱がはじまったのである……。健康第一、なんだけどな。



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ライター/編集者
1963年生まれ、那覇市出身。沖縄の出版社「ボーダーインク」で編集者として数多くの出版物に携わるほか、作詞なども手掛ける。自称「シマーコラムニスト」として、沖縄にまつわるあれこれを書きつづり、著書に「うちあたいの日々」「<太陽雨>の降る街で」「ンバンパッ!おきなわ白書」「道ゆらり」「うっちん党宣言」「僕の沖縄<復帰後>史」などがある。

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