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金城真知子

2018年1月22日更新

にぎやかな台所|金城真知子のコラム

沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。「沖縄で、暮らす・はぐくむ Vol.38」

久しぶりに料理をしたお正月|金城真知子さんのコラム
 

【にぎやかな台所】

「久しぶりに料理をしたお正月」
今年のお正月は、久しぶりに料理をした。
そんなことを書いたら、きっと笑われてしまうかもしれないが、子供が3人に増えてからというもの、めっきり「ごちそうになるお客さん側」になってしまっていたのだ。

というのも、主人の家はお仏壇もあり人が集まる本家なのだが、お義母さんの計らいで「お正月くらいは、ゆっくりしようよ〜」とご馳走やオードブルを手配してくださるお宅。

そして…私の実家はと言うと、4男の嫁であるにも関わらず、なぜかバッチリお正月用の「手料理」を仕込む母。だから「いっぱい作ったから食べにおいでね〜」と誘われる。どちらかというと「あんたたちは、いつといつに来れるね?」と約束を取り付けられるといった感じでもある。

母は本当に料理上手で、三枚肉などの豚料理に、ごぼうの肉巻き、結び昆布、ねじりコンニャクなど沖縄らしいお供え料理が並ぶ。中でもメインは3日間かけて作る「中身汁」。プロ用の大きな寸胴(ずんどう)鍋に仕込まれた「中身汁」は、出汁が染み込んでいて、柔らかくって体の芯から温まる家族みんなが大好きな一品である。

すべて、手間暇と時間が掛かる料理なのに「あんたは子供も小さいのに、大丈夫よ〜手ぶらで食べに来たらいいさ〜」という言葉。毎回甘えてしまって、こちらでも料理をせずに「食べる側」の私たち。

そんな私だが、末娘が2歳になった事をきっかけに「今年こそは、私も何か作るね」と宣言! 日頃お世話になりっぱなしの両家なので、少しでも感謝の思いを形にして伝えたかったからだ。お正月らしく華があって、普段はあまり食べないようなお料理をイメージしてインターネットで検索し、有頭エビのお正月料理を手作りすることにした。


久しぶりに料理をしたお正月|金城真知子さんのコラム
 

【エビ料理をしながら】

せっかくお正月だし!と、スーパーで一番大きなエビを選んで「箱買い」した私。

食べていただく物だからと、自宅で練習をして主人と子供たちが味見! その後、主人の家にも味見を兼ねて持って行くと、「あい! キレイね〜すごいさ〜」と褒めてくれたお義母さん。

でも意外に、お義母さんやお義父さんの箸は進まない…後で聞くと「たまにはエビも食べたいね〜と思うけど、ほら、この歳でしょ〜! コレステロールが気になってさ〜」との事。クリスマスの時に「たまにはロブスターとかも食べたいね〜」なんて私に話していたのは(本来、体のこともあって食べられないけど)という前置きが付いていたのね。

小さなショックもありつつ、既に解凍してしまっている大量の特大エビ
「箱買い」したのをどうしよう ということで、頭が混乱気味だった。

実家の母親に電話をすると「持ってきたらいいさ〜! こっちでエビフライにしよう〜」とのこと。あんなに高かったのに、エビフライかぁと思いながらも、実家向かい、大量のエビを下ごしらえ。

普段通り、エビに小麦粉・卵・パン粉の順でつけようとすると、「まーちー、フライの衣のつけ方 知ってるね? だー、ちゃんとは分からんでしょ」と母。卵にも小麦粉と水をちょっと入れると、衣の付きがいいんだよ〜と教えてくれた。

そして、実際にやって見せながら「あり、ちょーん、ちょーんして、余分なのは落としてから、パン粉に行くんだよ」とレクチャー。小麦粉も水も、すべてが目分量なので、レシピには書き起こせない母親の小さな技の数々。

そうそう、なんだか懐かしい・・・


久しぶりに料理をしたお正月|金城真知子さんのコラム

 

【いつも下ごしらえ担当だった】

台所で一緒に並んで調理していると、いろんな事を思い出してきた。結婚するまで、お正月やお盆の行事があるたびに「下ごしらえ」を手伝っていた。コンロ周りは母の担当なので、私たち姉妹は、野菜の皮むきや、エビの殻むき・背わた取り。水に戻した昆布を結んだり、うずらの卵をむいてベーコン巻きを作ったり・・・いつも「なんでこんなに作らんといけんわけ〜!」とブツブツいいながらも、いろ〜んな話をしていた。今となっては何を話した覚えていないが、いつもしゃべっていた気がする。

お正月の仕込み中、火をたきっぱなしの台所は普段より暖かくって、みんなが台所を囲んで、ずっとしゃべっている…そんな家だった。


 

【母が料理を教えられない訳】

中身汁にクーブイリチー、ゴボウの梅煮に、煮崩れない三枚肉・・・
母から教えてもらいたい料理は、数え切れないほどたくさんある。
結婚してから何度となくレシピを教えて! と頼んでみたが、答えはいつもNO!
その理由は、
「前日とか、その前の日とか、私が空いた時間に下ごしらえしてるからさ〜」とか「肉の大きさ、毎回違うんだのに・・・様子みながらやらんとね〜」とか、「しょうゆ、どれくらいって聞かれても(入れながら)ハイこのくらいってしか言えないのに」と、とにかくレシピに書き起こせないことばかり。本当に知りたいんだったら、数日前から泊まるね? とも言われる。

これは意地悪でもなんでもなくて、母としても本当は教えてあげたい気持ちはあるけど、特に味付けに関しては「経験上」なので、数値化することができないというのだ。

「おふくろの味」って、伝わり方は「直伝のみ!」。だから、その家でしか伝わっていかなくて、各家庭の味が作られていくんだな〜なんてことを感じしまう。

今回は、やっとエビフライを習うことが出来た。

次回は、どんな料理を教えもらえるんだろう。仕込みに3日かかった中身汁をすすりながら「住み込み」で教えてもらうのもアリかもな! と考えたお正月のひと時だった。




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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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