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COLUMN

本村ひろみ

2016年12月30日更新

本のある風景|本村ひろみのコラム

フリーパーソナリティーの本村ひろみさんが、暮らしを楽しむアンテナを巡らせて日々の沖縄・風景をレポートします。
fun okinawaコラム「おきなわ 暮らし散歩 Vol.26」



暮れの大掃除のころになると新年の誓いを思い出す。
「部屋の本を美しく片付けよう」

大きなテーブルの上からはみ出てリビング中に散らばり、
積まれている本を前に決意を固くした元日。
ここ数年続く同じ決意、
そして暮れのこのころになると目の前の状況に愕然(がくぜん)とする。
今年も本が増えている。部屋中に。片付いてない。

実家の私の部屋もそうだった。
壁一面の本棚に収まらず弟の部屋の本棚を占領している。
廊下にも本を積んでいる。
結婚が決まって結納の日。
私の部屋を見たいと義理の母が言ったので案内したら、
足の踏み場がないくらいの本の多さに
「本の仕事」をしていると勘違いしたらしい。
そのとき義母が何げなく手に取った本は、
ナンシー関の「隣家全焼」。
見える場所には純文学を置くべきだったと後悔した瞬間。
そこはサブカルの並びで隣は根本敬氏の本だった。





国際通りの筋道にお気に入りの空間がある。
本屋さんではないけれど
そこに置かれている本の趣味は完全に好み。
初めてそこに並んでいる本を見たときクラッとした。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。
ここの本をセレクトした人は誰だろう。
ワッー、ウヮーッ、ウワッー!!!
目が忙しく右から左へグルグル宙を泳ぎ
興奮のあまりに本棚の前をウロウロする。

言っておきますが、
そこは本屋さんではなくハンバーガー屋さんと
お洋服のセレクトショップ。
本棚の前だけにいるのは変だと分かっているけど
本の前から動けない。
会いたかった人に出会ったように話したいことがたくさんある。
読みたい本がこんなにある。
文字にグルーヴして頭の中では勝手にBGMが流れてきた。
ドリー・パートンの“Here You Come Again”
ハッピーな気分。

本のある風景は平和だ。
LOVE & PEACE
心が満たされていく。
家の床が落ちないか心配しながら今日も本屋に足が向く。

年末年始は本を読む。
後輩から借りている『手紙屋』(喜多川 泰著)を読もうか、
大好きなアメリカドラマの「ギルモア・ガールズ」で主人公のローレライが、「映画より絶対原作派」と言っていた『わたしに会うまでの1600キロ』(シェリル・ストレイド)にしようか。
きっと本は増え続ける。
片付けの手を休めて師走の本屋さんをのぞきに行こう。
そう思うだけで笑顔になる。

皆さんも笑顔に満ちた新年をお迎えください。


国際通りにお気に入りの本棚


* BABYBABY HAMBURGER&BOOKS(沖縄県那覇市牧志3-11-12(地図))


* KEROUAC (沖縄県那覇市牧志1-2-5(地図))


 

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ロマンチストなラジオDJ
那覇市出身。清泉女子大学卒業、沖縄県立芸術大学 造形芸術研究科修了。現在、ラジオ沖縄「GO! GO! ダウンタウン国際通り発」「We love yuming2(毎週 日曜日 19時~20時)」でパーソナリティーを務める。

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