金城真知子
2016年10月24日更新
子どもと過ごす時間を大切に、2人っきりの時間を楽しむ。【金城真知子のコラム】
沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。「沖縄で、暮らす・はぐくむ Vol.24」
甘えん坊の娘
3きょうだいの末っ子。わが家の次女が、1歳のお誕生日会を目前に体調を崩してしまった。1歳はやっぱり特別で、沖縄では「タンカーユーエー」と呼ばれ、その子の将来を占うような儀式まであるもんだから、両家の両親はもちろん、姉家族や妹夫婦、まだ結婚していない弟の彼女にまで声をかけて盛大に行う予定が、延期を強いられてしまった。
これまで大きな病気がなかった丈夫な赤ちゃんだっただけに、本音はショックも大きかったが、その分、健康のありがたさを感じることもできた。
と言いつつ…、今回の話のメーンは赤ちゃんの方ではなく、真ん中の娘。5歳になる長女である。というのも、赤ちゃんが体調を崩してから、この子の方が「甘えん坊」になったのである。
普段は、面倒見のいいお姉ちゃんなのに、時折トイレに一人で行けなかったり、「赤ちゃんはいいな~! お母さんにいつも抱っこしてもらって…」と、寂しそう。切ない言葉を聞いて、慌てて両手を広げる私。笑顔で飛び込んでくる娘! でも、ずっと抱っこしようにも20キロを超える体を持ち上げていると、数分もたたないうちに「重たい…」とギブアップしてしまう。情けない…。
しまいには「病気うつりたい!!」と言って、体調の悪い赤ちゃんにキスとハグの嵐…。「も~やめて…」と雷を落とす私。そして、またへこむ…。
そうこうしている間に、本当に具合が悪くなってしまったお姉ちゃん。土曜の夜に言い出すものだから、日曜診察してくれる病院をなんとか探し、2人で受診。病人のはずなのに、なぜか娘はルンルンである。
お薬屋さんの脇。水の流れる細長い公園を見つけた。「終わったら散歩しようね~」と約束してお薬を受け取りその公園へ。そこには、少し季節外れのサガリバナが咲いていた。
もともとサガリバナの花の命は一夜限りで、日の光とともに散ってしまう、はなかい花。娘と落ちた花を手に取って眺める。私がシャッターを切ると、娘も手伝ってくれる。「ママ! キレイに撮れた?」「こっちから撮った方がすてきじゃない?」と、アングルまで教えてくれる。既に私の優秀なアシスタントである。
ママと2人っきりの時間。
思い返せば、下の子が生まれてからはめったに取れていなかった。
反省とともに、娘がつぶやいた「私も病気になりたい…」の言葉を思い出して、また胸が締め付けられる。
その日から、娘との「ふたり」の時間も意識して作るようにしている。
今日は、足元を眺めながら「マ~マ~! 歩いた時の『カッツ、カッツ』が一緒だね!」と、うれしそう。
私のハイヒールの音と、娘の小さな靴の音。「カッツ、カッツ」階段を上る時も下りる時も、二人で手をつなぎながら呼吸と歩幅を合わせる。なんて心地いい音なんだろう。
その後の車の中では「パパと出会ったのは?」なんて、なれそめを聞いてきた。「デートとかしたんでしょ?」と照れ笑いしている娘の姿に、私の方がキュンとなる。こんなにも早く、娘と恋バナができるとは思ってもみなかった。
先輩ママが、口をそろえて「今がかわいいよね~」とよく言っている。「そのうち誘っても、ついてこなくなるからね~」と笑う。
きっと、子どもと過ごせる時間は、そう長くはない。
甘えてくれる今を大切に!
決してパーフェクトな自慢のママじゃないかもしれないけど、性格の違うきょうだい。一人ひとりに向き合って、私自身が、親時間を楽しんでいきたいな~と思う、今日このごろなのである。
金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]
沖縄で暮らす・はぐくむvol.24
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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。