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金城真知子

2016年8月13日更新

ひぃおじいちゃんの三十三回忌|金城真知子のコラム

「沖縄で、暮らす・はぐくむ Vol.22」
沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

私の夫は長男で、嫁ぎ先には10代以上続いているお仏壇がある。
確か、お義父さんが10代目で、夫が11代目。春のシーミーには、庭にあふれるほどたくさんの親族・門中の皆さんが集まるし、お仏壇を見るとトートーメーや香炉が三つもある家。なので、結婚当初は「すごい所に嫁いでしまった…」と、思わず尻込みしてしまった。

そんな実家で先日、ひぃおじいちゃんの三十三回忌とおじいちゃんの二十五回忌が行われた。これだけ親戚が多く、地域との交際も深い家。かなり大きな法事になるのだろうなと思っていたのだが、両親の意向で「今回は、ごく近しい家族だけでやろう」ということになり、少しホッとしながら当日を迎えた。

献花やウサギムン(お供え物)の準備。イラスト入りの用紙を見つめながら、何とかお仏壇の前を整えた私たち。お坊さんをお迎えするまでの間は、おばちゃんたちやお姉ちゃんたちと近況を報告し合いながら、台所ではにぎやかな笑い声が響いていた。 


写真/法事の準備

そして、お坊さんをお迎えして法要のスタート。
最初は、三つあるお位牌(いはい)を一つにまとめてもらうことから始まった。それには二つの理由がある。「ルーツが同じご先祖様だから、家族一緒がいいはずね!」という思いと、「若い世代(私たち)が継承しやすいよう、できる事は簡略化してあげたいね!」という優しさ。夫の両親は、やっぱりすごく温かい。



写真/年代を感じさせる「木製のお位牌」(テーブル中央)

年代物の木製のお位牌。仏壇から降ろされた後も、独特の風格をまとう姿に、これまでずっと家族を見守ってくださったぬくもりが感じられた。


写真/お供え物の理由を知ると、気持ちも変わる

お焼香を済ませた後、お坊さんが「今日は若い方々もいらっしゃるので」と、「トートーメー」は「尊い御前」であることや、ウサギムンの理由など、一つ一つ丁寧に教えてくださった。そして、「法事って、意味が分からない間はさせられている感じがしますが、こうして知ると、また心持ちが違いますよね」と話し、何より「こうしてご親族が一堂に集まったということが、素晴らしいことですよ! ご先祖様がこの機会を作ってくださったんですね」とおっしゃった。

確かに、みんな忙しい中、何とか仕事に都合をつけてこの場に来ている。近親者のみとはいえ、この日を迎えるまでに、お義父さんお義母さんを中心に掃除をして、品物を手配し、役割を割り振って…何日も準備をしてきた。

その間、おじちゃんが教えてくれた昔の思い出話に始まり、幼いころ住んでいた家の造り、おばちゃんが話すイトコの学生時代や当時の習い事、そして、最近のスーパーでのポイントの貯め方などなど、そのどれもが、同じ場所で一緒の時間を過ごしたからこそ聞けた貴重な話である。

ご先祖様を敬い、行事を大切にする夫の両親。そんな中でも、常に現代と照らし合わせるまなざしを忘れないのは、そこに集う人たちの「居心地の良さ」を最優先に考えているからこそなんだと思う。

大きな行事があるたびに、夫と結婚できたこと、そして、この家の家族になれたことがありがたくって、うれしくってたまらない私なのである。
 


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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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