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COLUMN

金城真知子

2021年9月24日更新

「ゆんたく」が大切な理由。遠慮の壁を超えていく|金城真知子のコラム

3人の子育てワーキングママ金城真知子がつづる「ホッとする沖縄時間vol.73」をつづります。

〜〜  夫親との距離感 〜〜

夫の親世帯と暮らし始めて9カ月。
私の仕事の事も応援してくれていて、積極的に孫たちをかわいがってくれる夫の両親なので、いつも感謝しているのだが、一緒に住む事で、近くなりすぎて「いい距離感」が変な風に変わってしまわないか、少しの不安もあった。

数カ月前に書いたコラムを振り返ってみると、後半は同じような気持ちが書いてあったから https://fun.okinawatimes.co.jp/column/detail/10500
「夫親との距離感」っていうのは、いつでも、心の隅っこにあるテーマのようだから、今日はそれについて、ちょっと触れてみようと思う。
(なんだか、禁断の扉を開けるみたいで、ちょっとソワソワ。。。)



〜〜 早朝から出かけたみたいだけど 大丈夫ね? 〜〜

それは私が健康診断から帰ってきた時の事、
顔を見るなり「あんた朝から出て行くみたいだったけど、健診だったって?」と驚きの表情。私より後に登校していく孫娘に「ママは?って聞いたら、受診っていうから、余計に何かあったのかねー、大丈夫かねーって思ってワケさ」ってまるで「どうして事前に話してくれなかったの」という口ぶりだった。

私としては「え? 逆に、こんな小さな事まで報告しないといけないの?」って正直、窮屈な感じがした。
 子どもたちを預かってもらう訳でもないし、何もお願いする事もないし、、、登校時間より少し早めに家を出るってだけで、こんなふうに心配されるなんて、子供扱いされてるようで、なんだかな〜という気分。

きっと両親としては、LINEででも一言伝えてくれればいいのに〜!という、それだけかもしれないが「すこしウザったい」と思っちゃった、私の心の器の小さな小さな話である。

〜〜 本当は言いたいハズなのに  〜〜

肝心なのは、この後の話しで、少しイラッとした後、しばらくして振り返ってみたら、両親どちらからも「どうして連絡してくれないの?」って聞かれなかったし、「今後はちゃんと連絡してね!」なんて、一言も言われなかった。

そう、、、責められなかったし、怒られなかったし、こうしてほしいって希望さえも言われなかった。あの口ぶりからすると、すごく心配してたはずなのに「事前にLINEくらいしてよー」って本当は言いたかったハズなのに、まったく言われなかったのである。

たぶんきっと、
いつも、そうだったのかも・・・

仲がいいと思っていたのは嫁である私だけで、
きっと夫の両親の方が、遠慮して「本当は◯◯なのに」って本音を言えてなかったのかも。。。気遣ってくれた両親の愛情。。。そう思うと、いつも私の都合で動いていた事が、なんだか情けなくなってきた。

〜〜 子供に負担をかけたくない親世代 〜〜

子どもたちが登校して、夫も出勤した次の日。
「テークアウトで、マチの分も お弁当買ってきたよ〜」
の声かけで、1階に下りると、お義父さんが選んでくれたという3種類のお弁当の中から「マチが好きなの選んだらいいよ」と真っ先に選ばせてくれた。
やっぱり一番大切にしてくれている。。。

その後、お義母さんが「お昼後も仕事があるんでしょ〜。だったら上に持っていって食べていいよ」との声。
私が「仕事前だから30分くらいしか時間ないけど、話もしたいから、ここで食べよっかなー」と伝えると、顔を緩ませて
「そうね〜!! じゃ、じゃ、どうぞ」とうれしそうに椅子を引いてくれた。

そこからの30分は、思った以上にいろんな話が飛び出してきた。
今後の法事や、みんなに出す食事はどうした方がいいかね〜とか、受け取りや宅配や、その他のもろもろの事とか、、、こんなにも決める事や迷っていた事が大量にあったなんて・・・
「マチは忙しいのに、ごめんねー」
私達夫婦の忙しさを気遣って、両親だけで段取りをしようとしていた事。私から聞いてみると、数珠つなぎに出てくる出てくる小さなもろもろの事。一緒にご飯を食べていた中でようやく、抱えていたものを話してくれたのだ。
親ってやっぱり、子供(嫁)に遠慮しているんだな。。。

「あいもう時間だよ!今日はありがとうね〜、仕事頑張って・・・」

〜〜 ただ一緒にいて、ゆんたくする大切さ 〜〜

著書『沖縄から貧困が無くならない本当の理由』の樋口さんの言葉にも、
 ”現代社会の問題を根本的に治癒する「第三のデザイン」は、『人の関心に関心を注ぐ』こと” とあるように、自分の関心事に興味をもってくれた時、ようやく人は心を開いて話してくれる。
家族のように親しい間柄でさえ「遠慮の壁」があるわけだから、こちらから歩み寄って関心をよせなければ、日々の小さな出来事なんて話さえしてくれなくなる。

遠慮の壁を下げるためにも、いつも少しでも「ゆんたく」してみる。
おばちゃんたちがオチもない話を、何であんなに楽しそうに笑って話してるのかな〜って昔から不思議だったけど、、、今なら、少しだけ分かる気がする。
話している内容に深い意味があるんじゃなくって「ゆんたく」できてる状況や、ただ一緒に居て話せる人がいる事、「ゆんたくタイム」が持てる事こそ価値があるんだって、今なら思える。

いまだに、自分事で精いっぱいになってしまう嫁ではあるが、
「お義母さ〜ん、コーヒーとかありますか?」って、
ちょっと声でもかけてこよう。






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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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