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金城真知子

2021年3月15日更新

母親と子供は「別物」 〜仮決めしながら経験を積む〜|金城真知子のコラム

3人の子育てワーキングママ金城真知子さんがつづる「ホッとする沖縄時間vol.68」をつづります。

母親と子供は「別物」 〜仮決めしながら経験を積む〜


〜〜 節目の3月〜〜
友人たちのSNSを通して、中学や高校の卒業式の様子が垣間見える。
勝手に遠い親戚のオバちゃん気分になってしまい、写真をスクロールしながら瞳がじんわりと潤んでくる。

あ、そういえば、あと数日でうちの長男も小学校を卒業する。
それなのに「わが子の卒業式」についての情報を知らない事に気づいて慌てる。
(友人の子供の成長に感動している場合じゃない)

息子に学校からのお便りを催促しても、なかなか私の手元まで届かないもんだから、
卒業式が何時から始まるのか、今回は親が参加していいものなのか(親1人だけ参列OKなど制限があるかもしれない)など、いろいろと疑問符がついてしまい、結局お友達のお母さんに連絡した。

「ランドセルの奥底に、グシャって蛇腹(じゃばら)になって眠ってそうですよね!」笑いながらいろいろと教えてくれた。「徴収金袋だけは、ちゃっかり持ってきてくれるんですけどね〜」と答えると、「そこがしっかりしてるなら、大丈夫じゃないですか^^」誰を責めるわけでもない優しい返しに、何度救われている事か。。。
このつながりが、本当にありがたい。

周りの協力のおかげもあり、
親としての義務教育・最初の卒業式を、もうすぐ迎える事ができそうである。



〜〜 親が忙しくなると子供が休みたがる? 〜〜
それにしても、年度末の3月は何かと気ぜわしい。
新しい分野の仕事を始めた事もあってか、自宅でも慣れない作業やチームでのやりとりをしていると、子どもたちの様子が普段と違う感じ。
しばらくたった数日後、小学生の2人が1日置きに登校をしぶり始めたのだ。
(その翌日は末娘まで「幼稚園お休みしていい?」って言いだす上、お着替えはママが洋服脱がせて〜って雰囲気をたっぷりと醸し出している)

ちょっと立ち止まって考え直してみると、最近のお夕飯は丼物にする事が増えたし、スーパーのお総菜を出す事も多い。。。夕飯後すぐにパソコンへ向かう私。

こんな状況になると「私が忙しいせいで、子どもたちと向き合う時間が減ったから愛情が足りないのかな?」と自分を責めていたのだが、今の私はちょっと違う。

「3月は学校も集大成の時期だし、子供たちも何かと疲れてるのかな?」って。。。

わが子の状況と親である私を、別の物として考えられるようになってきたのだ。

もちろん私の影響も多少はあるかもしれないけど、まず自分を「ダメなママ?」って責める前に、子供と私は「それぞれ違う人間」って事を、再確認する事から始めているのだ。

やりかたは至って簡単で、
普段と何か違う事が起こった時、私とリンクさせずに、直接本人に「聞いてみる」

・どうしたの?
・どうしたいの?

シンプルだけど、今のわが家には一番効果的な二つの問い。
子ども自身に「どうするか」を決めてもらうのだ。

「自分で決めてもらう」ために、材料として、私のその日のスケジュールや、お昼ごはんの事を話し合いながら「休むのか、学校に行くのか」を考えてもらう。

うつむいて、何も言えなくなっていた子どもたちも、小さな声で「どうしたい」を伝えてくれる。。。
親業10年にして、ようやくようやくできるようになってきた事である。


〜〜  自分で決める・子供を信じる 〜〜
本音を言うと「学校を休む」と言われた時、小学生が家で1人待っているのは少し不安だ。既存のスケジュールだって先方様にリスケをお願いすれば「いいですよ〜」って言ってくれるかもしれないし、何より「子供が休みたい」って言った時に、何も対応しない母親って「それでいいの?」と内心すごくザワザワしていた。
だけど「お母さんは仕事だよ」と伝えた上で「今日は休む」と自分で決めたのだから、私も仕事に打ち込んでくると腹をくくる。
ただそんな日は、できるだけ早めに仕事を終え、ちょっとだけ高価なアイスやスイーツを買い込んで家路を急ぐのである。
玄関を開けると子供の方も「休んでしまった気まずさ」があるのか、部屋中をキレイに片付けていたり、通信講座を何ページ分も進めていたりと、自分なりに何かやっている様子。
アイスを一緒に食べていると、目も合わせずにうつむいたまま「明日は行くからさ」とぽつり。その言葉に、いつも胸をなでおろす。
「子供を信じてよかった」
もしかしたら、すごく、すごく小さな事かもしれないが、私にとっては、こんなささいな日常こそが、とても大切な時間になっていく。


〜〜 仮決め・練習 〜〜
「決める」とか「信じる」って言葉って、なんだか確固たる信念のもとに「一度決めたらやり通す」みたいなイメージがあるけど、親業に関しては、もっとゆる〜い感じで使っていいような気がしている。
何かしら「まずやってみよ〜か!」って行動するためにも、「決める時」のイメージも、仮に決めてみるの「仮決め(かりぎめ)」くらいがちょうどいい。
その子にとって、何が正解なのかなんて、やってみないと分かんないし、実際やってみてもよく分かんないし(笑) だからこそ、経験する事や、練習して積み重ねていく事の方に、価値があるんじゃないかって最近は感じている。

自分の過去を振り返ってみても、正解に向かって突っ走ってたつもりが、散々な結果って事も、今じゃ笑い話。ちょっと先を見つめた時に、わが子にだって、誰かに笑ってもらえる経験のひとつやふたつ、あったほうが人間味が増すと思うから。。。






金城真知子さんのコラム[カテゴリー:子育て 大人女子を応援]
 

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フリーパーソナリティー
沖縄県南城市出身。琉球大学卒業。
ラジオパーソナリティー・ウェディング司会者・スマイルトレーナー®
FM沖縄『ちゅら玉・浪漫紀行』ではライター兼ナレーターを担当。
沖縄の自然や習慣・格言などを題材にウチナーグチを交えて紹介。
本コラムでは、沖縄で暮らす3児のワーキングママとして、家族の日常を綴っていく。

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